- /todoとは何か
- 朝のデイリーレビュー
- セッション中にタスクを積む
- 作業中にAIが「これ別タスクにしますか?」と声をかけてくる
- 週末の週次レビュー
- 忘れ物チェック(ネタ帳棚卸し)
- /todoの制限と注意点3つ
- 「今日やることなんだろう」——自然言語GTDが続く理由
- /todoのセットアップ手順(最小3ステップ)
この記事の要点: Claude Code の /todo スキルを使うと、コマンド構文を一切覚えなくても「話しかけるだけ」でタスクが管理できる。バックエンドは GitHub Issues で、GTDのInbox/Next/Waitingがラベルとして実装されている。朝のデイリーレビュー・セッション中のタスク積み・週次の棚卸しを、すべて自然言語で完結している実例を紹介する。
タスク管理ツールを使い続けられたことが、ほとんどない。
Notionで丁寧にデータベースを組んで3日で飽きた。Todoistに課金してほぼ使わなかった。GTDの本を読んでノートにウィークリーレビューを書き、2週間後にはノートが行方不明になった。「仕組みを整える」ことに疲れて、気づけば付箋とSlackの未読通知に戻っていた。
そんな私が今、タスク管理を続けられているのは、「話しかけているだけ」だからだと思う。
/todoとは何か
Claude Code のカスタムスキル /todo は、GitHub Issues を GTD スタイルで操作する仕組みだ。Inbox・Next・Waiting・Someday などの GTD カテゴリが GitHub ラベルとして実装されていて、タスクの追加・移動・確認を Claude に話しかけることで操作できる。
コマンドとしての実体はあるが、使うときはほぼ意識しない。Claude が自然言語を解釈して、裏で /todo を呼び出してくれる。
技術的な補足(興味がなければ読み飛ばしてよい): /todo は GitHub Issues を GTD ラベルで管理するスキルとして実装されている。スキルの実体は ~/.claude/commands/todo.md(スキル定義ファイル)として配置してあり、Claude Code のセッション中に呼び出せる。todo.sh(シェルスクリプトエンジン)はオプションで追加することもできる。GitHub CLI(gh)のインストールと gh auth login による認証が必要なので、ゼロから始める場合はそこだけセットアップが要る。
朝のデイリーレビュー
朝の始業前にセッションを開くことが多い。起動して最初にやることは、Claudeへの一言だ。
「今日やることなんだろう」
すると Claude が /todo を呼んで、Inbox に溜まったタスクの一覧と、Next の中から今日やるべきものを整理して返してくれる。
Inbox (3件): - アイラウイスキー記事のZennクロスポスト確認 - scripts/article/ のエラーログを確認 - [ネタ帳] バーボン入門シリーズのアイデア → 今日の候補: - アイラ記事クロスポスト(5分) - エラーログ確認(15分)
「今日の候補」として出てくるのは Claude が文脈から判断したもので、厳密なフレームワークの話ではない。「今日これだけやれば十分」という感覚を教えてくれる感じが心地よかった。
コマンドは何も打っていない。ただ「今日やることなんだろう」と聞いただけだ。
セッション中にタスクを積む
作業中に「あ、これあとでやらなきゃ」と気づく瞬間がある。以前はそのたびに別のツールを開いていたが、今はそのままClaudeに言う。
「Zennクロスポスト、Waiting に入れといて」
返ってくるのはこれくらいシンプルだ。
GitHub Issues に登録しました: #47 バーボン記事のZennクロスポスト確認 ラベル: ⏳ waiting
これだけ。GitHub を開かずに、作業の文脈を切らずに、Waiting に入った。
週次レビューを実行すると Waiting の一覧が出てくるので、「確認待ち」で止まったままのものをそこでまとめて確認できる。以前のツールでは見逃しがちだった「返事待ちのタスク」が、週次レビューの流れで自然に浮かび上がってくるのは、以前のどのツールでもできていなかった体験だった。
作業中にAIが「これ別タスクにしますか?」と声をかけてくる
「セッション中にタスクを積む」とは少し違う体験がある。
前のセクションは「ユーザーが気づいて、Claudeに言う」という流れだ。でも実際の作業中は、自分が気づく前にClaudeが先に動いていることがある。
たとえばこんな状況。スクリプトのバグを直している最中、Claudeが作業ファイルを眺めていて言ってくる。
「このエラーハンドリング、別の問題があるかもしれません。今の修正とは切り離して、別Issueにしておきますか?」
「お願い」
それだけでいい。Claudeが Issue を作って Next に積んでくれる。今の作業は中断しない。
記事を書いている途中でも同じことが起きた。執筆中に見出し構成を変えたついでに、Claudeが提案してくる。
「この記事、SEOタイトルを見直した方がよさそうです。ネタ帳に入れておきましょうか?」
「うん」
それだけでネタ帳の次の候補に入った。SEO改善のアイデアを取り逃がさずに、記事の続きを書き続けられた。
こういう場面が週に2〜3回ある。頻繁ではないが、「あ、言ってくれなかったら忘れてた」と感じるのがちょうどそのくらいだ。
この体験で変わったのは「気づくコスト」だ。以前は作業中に何か引っかかっても、「後で思い出せるかな」「メモする余裕はないな」と流していた。Claudeが先に声をかけてくれると、「うん」か「後でいい」の二択で済む。脳内の作業スタックを崩さずに、気になることを回収できるようになった。
ただし注意しておきたいのは、Claude が何でも提案するわけではない点だ。作業中に関係ないことで割り込んでくると邪魔になる。実際のところ、提案が来るのは「Claudeが担当している作業の中」に限られる。Claude Code のセッション内で一緒に作業していて、Claude が何かを発見したとき——その文脈の中でしか声はかからない。セッション外の「気づき」は拾えない。
週末の週次レビュー
週の終わりに、こんな一言を投げる。
「今週どうだった」
すると Claude が GitHub Issues を集計して、今週クローズしたタスク・Nextに残ったもの・Waitingで止まったままのものをまとめて出してくれる。
今週の完了 (6件): - アイラウイスキー記事 はてな公開 - Zennクロスポスト確認 - scripts/article/ エラーログ対応 - ... 積み残し (Next: 3件): - バーボン入門記事 執筆 - GA4レポート確認 - ... Waiting停滞 (2件 / 3日以上応答なし): - note記事の校正依頼 → フォローアップ必要?
「次週に持ち越すもの」と「今週中に終わらせたいもの」を仕分けるのも、そのまま会話で済む。
「バーボン記事はNextのまま。GA4は来週でいい、Somedayに下げて」
週次レビューはGTDの肝なのに、以前は「やらなきゃ」と思いながらほぼ飛ばしていた。専用のツールを開いて、フォーマットに沿って記入して——という手順が重かった。「今週どうだった」と聞くだけで10分以内に終わるようになってから、ようやく続けられるようになった。
忘れ物チェック(ネタ帳棚卸し)
週に一度、こんな会話をする。
「ネタ帳、まだ記事化してないもの。InboxとSomedayを確認したい」
Claude がネタ帳ファイルを読みつつ /todo で Inbox を確認して、まだ着手していないものを出してくれる。「これ記事化できそう?」と続けると、NextかSomedayに昇格させてくれる。
「バーボン入門シリーズはNextに昇格して。SEOタイトル改善はSomedayのまま」
以前はスプレッドシートを使ってネタ管理していたが、「スプレッドシートを開く」という一手間が毎回ハードルになっていた。今は会話の流れで片付く。
/todoの制限と注意点3つ
正直に書くと、万能ではない。
リマインドは能動的にしか機能しない: Claude はセッションを開いている間だけ「助言」してくれる。バックグラウンドで時刻を見張ってくれるわけではないので、「明日の朝9時に自動で通知」というような完全自動のリマインドはできない。私は /alarm というカスタムスキルを別途自作して /todo と組み合わせているが、これは私の環境固有のものなので、そのまま使えるわけではない。同じことをやりたい場合はスキルを自分で作る必要がある。
Inbox が汚れやすい: 何でも放り込めるので、整理しないと数十件に膨れる。週次棚卸しをサボると収集がつかなくなる。これはGTDそのものの問題だが、ツールが使いやすくなった分、溜め込みやすくなった面もある。
セットアップはゼロではない: GitHub Issues へのアクセス設定、/todo スキルのインストール、Claude Code の設定——このあたりは一度だけ手間がかかる。「話しかけるだけ」が機能するのはセットアップ後の話だ。
「今日やることなんだろう」——自然言語GTDが続く理由
タスク管理ツールを続けられなかった理由のひとつは、「ツールの文法を覚えること自体がコスト」だったからだと思う。GTDのフレームワークを理解して、ツールの操作を覚えて、習慣化する——その前に力尽きていた。
/todo が続いているのは、「話しかけるだけ」という入口が維持されているからだ。Claude が文脈を読んで GitHub Issues を操作してくれるので、GTDの構造を意識しなくても「Inboxが溜まっているらしい」「Waitingが確認できたらしい」という体験だけ得られる。
「今日やることなんだろう」——朝にそれを聞くだけで1日が始まる。コマンドを覚えなくていい。仕様書を読まなくていい。それだけで続いている。
Claude Code の関連記事として「タスク管理・リサーチ・記事公開を全部AIに振ったら、人間はどこで判断すればよくなったか」も合わせてどうぞ。/todo が組織全体の中でどう機能しているかの全体像を書いています。
/todoのセットアップ手順(最小3ステップ)
まず「雰囲気だけ知りたい」方へ
コマンドラインを触る前に、全体像をつかみたい場合はこちらを先に読むのをおすすめする。「タスク管理・リサーチ・記事公開を全部AIに振ったら、人間はどこで判断すればよくなったか」は /todo がAIエージェント組織の中でどう機能しているかを書いた記事だ。「GitHubとかコマンドとかは後でいい、どんな体験なのかだけ知りたい」という段階ならそちらを先に読んでほしい。
セットアップしてみたい方へ(最小3ステップ)
最小手順だけ書いておく。
- Claude Code のインストール: まだの場合は公式ドキュメントを参照してインストールする
- GitHub CLI の準備:
ghをインストールしてgh auth loginで認証を通す(GitHub Issues がバックエンドになるため) /todoスキルのインストール:~/.claude/commands/todo.md(スキル定義ファイル)を配置するtodo.sh(シェルスクリプトエンジン)を使う場合は Node.js が必要。todo.mdだけで始めるなら不要(Claude Code の GitHub MCP 経由で直接動作するため、シェルスクリプトを介さなくてよい)- 詳細・ファイル入手先: https://github.com/saitoko/claude-todo-gtd(READMEに構成の違いを記載)
上記3点が整えば、あとは Claude に「今日やることなんだろう」と話しかけるだけで動き出す。
今日できる最初の一言: Claude Code を起動して、まずこれだけ打ってみてほしい。
「来週までにやりたいこと、3つ教えて。そのままInboxに入れておいて」
コマンドは覚えなくていい。この一文から始まる。
/todo で「話しかけるだけのタスク管理」が動き始めると、次の問いが出てくる——このスキルを組み込んだAIチーム全体は、どう設計・構築すればいいのか。私はその問いに答えを探しながら、Claude Code でエージェント組織を一から作り上げた。その設計原則と実装の流れを、Zenn Book Vol.1「AIチームを作るまで」にまとめている(序章・第1部無料)。