コードを書かないSE日誌

SE歴26年。コードを書かずにClaude Codeで8体のAIエージェントチームを動かしています。AIエージェント・自動化・GTDの実験日誌。

Claude Code を6日使ったら秘書・ライター・リサーチャーが揃ったチームになっていた

Claude Code を導入して6日が経ちました。

「AIコーディングツール」として紹介されることが多い Claude Code ですが、6日間使い込んでみた結果、コードを書くだけのツールではなくなりました。タスク管理、情報収集、記事執筆、健康管理――気づけば自分専属のチームができていました。

この記事では、Day 1 から Day 6 で実際に何を作り、何が変わったかを時系列で振り返ります。なお、この記事自体もライターエージェントとのチャットで作成し、別のエージェントがレビューしています。私はエディタを一度も開いていません。

6日間の全体像

まず数字で振り返ります。

指標 結果
開発したアプリ 2個(ラーメンレビューアプリ、銀行システム)
開発したスキル 2個(/todo GTD、/health 健康管理)
テストケース 303件(/todo) + 676行(銀行アプリ)
公開した記事 2本公開 + 4本予約公開
自動化フロー 2つ(デイリーリサーチ、クロスポスト)
エージェント構成 3層(ハブ + 秘書 + ライター)

最終的にできた全体構成はこうなっています。中央の司令塔(複数の Claude Code インスタンスを束ねる役割)から、それぞれ専門の役割を持つエージェントが動いています。

司令塔(指示・監視・調整)
├── 秘書エージェント(GTD 収集・仕分け・レビュー)→ GitHub Issues
├── ライターエージェント(記事執筆・クロスポスト)→ Zenn / Qiita / はてな
├── 開発エージェント(別ブランチで並列実行)
└── リサーチエージェント(11ジャンル自動収集)

ただし、最初からこの構成を狙っていたわけではありません。Day 1 のアプリ開発で受けた衝撃が、この構成に至るきっかけでした。

Day 1 ── ラーメンアプリ開発と最初の衝撃

環境構築が全部自動で終わった

Claude Code で最初にやったのは、近くのラーメン屋を検索・レビューできる Web アプリの開発でした。Python / FastAPI / Google Maps API という構成です。

驚いたのは環境構築です。SE として日々やっている仕事そのもの――依存関係のインストール、ディレクトリ構成の作成、設定ファイルの配置――これが全部 Claude Code のチャットだけで終わりました。自分がやったのは API トークンの取得くらいです。

コーディングもテストもチャットで

環境ができたあとのアプリ開発も同じでした。

  • 「ラーメン屋を距離順でソートする機能がほしい」→ 実装される
  • 「Google Maps へのリンクもつけて」→ 追加される
  • 「CSS を HTML から分離して」→ リファクタリングされる

コーディング、テスト、コードレビュー、セキュリティ対策。全部チャットで指示を出すだけで開発が進んでいく。1日で 8 コミット、機能追加からリファクタリングまで完了しました。

完成したアプリで近所のラーメン屋を検索してみたら、食べたいラーメンを探すだけで時間が溶けていきました。自分が作ったアプリで遊ぶのは格別です。

あまりの衝撃に、その日のうちに Mac mini を発注してしまいました。納期はまだ先なので、今は手元のメモリ 8GB の Windows で作業していますが、十分動くのは嬉しい誤算。Mac が届くのが待ち遠しいです。

Day 2 ── 銀行アプリ開発、そして気づき

Java の本格的な開発環境も自動構築

Day 1 の体験に手応えを感じ、次は Java で銀行システムのサンプルアプリを作りました。今度は本格的な環境です。

  • Java 21(Temurin)
  • WildFly 32(アプリケーションサーバー)
  • PostgreSQL 17(データベース)
  • Docker / docker-compose(コンテナ化)
  • Maven(ビルド)

Java 21 + WildFly + PostgreSQL + Docker という構成を伝えたら、インストールと接続設定を Claude Code が全部やってくれました。自分がやったのはパスワードの設定だけ。マルチステージビルドの Dockerfile も、WildFly の設定スクリプトも、全部チャットから生まれています。

テストとリファクタリングの威力を学んだ

このプロジェクトで大きかったのは、テストを回してリファクタリングするという体験です。JUnit 5 + Mockito で 676 行のテストコードが書かれ、安心してコードを変更できる。未使用 import の削除、不要なアノテーションの除去といったリファクタリングも、テストがあるから怖くない。

この学びは、後の /todo スキル開発(303件のテスト)に直接活きてきます。

「自分の作業を代替できる」と気づいた

2日間のアプリ開発で確信しました。Claude Code は単なるコード補完ツールではない。環境構築、コーディング、テスト、レビュー、リファクタリング――SE が日々やっている作業の全工程を、チャットで指示するだけで回せる。

ここで思いました。1つの Claude Code インスタンスでこれだけできるなら、複数のインスタンスを組み合わせたらどうなるか。秘書にタスク管理を任せ、開発エージェントにコーディングを任せ、ライターに記事を任せる。マルチエージェント環境を作ろう、と。

同日、司令塔の初期セットアップに着手しました。新しいフォルダで Claude Code を起動して、「あなたは司令塔です」と伝えただけです。Claude Code が自分で CLAUDE.md(プロジェクトの役割やルールを定義する設定ファイル)を作り、ディレクトリ構成を提案してくれました。

マルチエージェント構成に興味が出てきた方は、こちらの本も参考になります。

Claude CodeによるAI駆動開発入門(平川知秀 著)

Day 3 ── デイリーリサーチの仕組み化

マルチエージェントの最初の実験として、「毎日の情報収集を自動化したい」と伝えました。

まず Claude Code に MCP(Model Context Protocol = 外部サービスとの接続の仕組み)の設定をさせ、Slack への自動投稿を可能にしました。次に「自分の興味がある11ジャンル(AI、筋トレ、ウィスキー、ラーメン、Swift、金融など)の最新情報を集めてレポートにまとめて」と伝えたら、69 行の指示書を Claude Code が自分で書き上げてくれました。

同日中に初回レポートが生成されました。AI 業界のニュース分析、筋トレの最新研究、ウィスキーの値上げ情報――各ジャンルの注目トピックと要約がまとまっています。

「天気予報もほしい」と伝えたら即座に追加。「前日のアクション振り返りも入れて」と言ったら、それも翌日から反映されました。「動かす → 差分を伝える → 改善される」、このサイクルが速いのが Claude Code の強みです。

専属リサーチャーが、月額プランの範囲内で毎日動いている。

Day 4 ── /todo GTD スキル開発

Claude Code の中でタスク管理を完結させたくなり、「GTD(Getting Things Done = タスク管理手法)のスラッシュコマンドを作りたい」と伝えました。スラッシュコマンドは Claude Code に独自の機能を追加するカスタムスキルのことで、/todo と打つだけで呼び出せます。

GitHub Issues をバックエンドに使い、GTD の6カテゴリ(inbox / next / waiting / someday / project / reference)でタスクを管理する /todo コマンドが生まれました。

/todo next 設計書を書く @PC --due 明日
/todo waiting 見積もり回答待ち @上司
/todo done 5

Day 2 の銀行アプリで学んだ「テストを先に書いてリファクタリングを恐れない」パターンが活きました。この日のうちにテスト基盤の構築、バグ修正、優先度機能、rename / untag / recur コマンドまで進みました。

詳しくはこちら: Claude Code で GTD を回す /todo スラッシュコマンドを作った

Day 5 ── すべてが爆発した日

この日が密度のピークでした。朝から夜まで、ほぼ途切れることなくエージェントが動き続けました。途中で Pro プラン(月額 $20)の制限に引っかかり、作業が止まるのがどうしても嫌で、その場で Max プラン(月額 $100)にアップグレードしました。それくらい手が止められなかった。

/todo が一気に進化した

「もっと便利にしたい」という要望を次々伝えていったら、1日で以下が実現しました。

  • ダッシュボードでタスク全体を俯瞰できるように
  • 朝の計画と夕方の振り返りを対話で回せるデイリーレビュー機能
  • 複合条件でタスクを絞り込むカスタムビュー
  • 週次・月次の実績をまとめるレポート出力

コードが 2,011 行まで膨れていたので「重複を探して整理して」と頼んだら、エンジン部分を別ファイルに抽出して 838 行まで削減(58%カット)。API 呼び出しも 8回→1回に統合され、体感速度が大幅に改善しました。テストが 303 件あるので、これだけ大胆なリファクタリングも安心して任せられます。

さらに英語対応(i18n)とモバイル向けラベル絵文字化も同日に完了。

Zenn セットアップ + 記事公開

同日に Zenn の初期セットアップ、クロスポストスクリプト(Zenn → Qiita → はてなブログに1コマンドで同時展開)の作成、そして記事の公開までやりました。

# 1コマンドで3サイトに展開
bash crosspost.sh claude-code-todo-gtd --publish --qiita --hatena

この日は本職の仕事をしながら、合間にエージェントへ指示を出し続けていました。エージェントが並列で動いている間にレビューし、戻ってきた成果物に次のフィードバックを投げる。一日中頭がフル回転で、アドレナリンが出まくって夜は眠れませんでした。

順調なだけではありません。i18n 対応のテスト中、テストスクリプトが ~/.claude/ を丸ごと消し飛ばす事故が起きました。テストは全パスしているのに、Claude Code のログイン情報が毎回消えている。原因は HOME 環境変数の差し替え方にありました。詳しくは別記事にまとめています。

テストが ~/.claude/ を消し飛ばした話 — HOME 差し替えの罠

なぜこの量が1日で可能だったか。事故も含めて乗り越えられたのは、Day 1-4 で作った仕組みが回り始めていたからです。開発エージェントに「この機能を追加して」と指示書を渡せば並列で動く。ライターエージェントに「この内容で記事を書いて」と伝えれば下書きが出てくる。人間がやるのは最終チェックと「ここが違う」のフィードバックだけ。

Day 5 の教訓: 「仕組みを先に作る」の効果は、量産フェーズで一気に現れる。Day 1-4 の地味な基盤整備がなければ、この日の密度は実現できなかった。

Day 6 と、これから

最終日は「コーディング以外にも使えるのでは」と思い、健康管理スキル /health を作りました。体重・体脂肪・運動記録を GitHub Issues に保存するもので、/todo の構造を流用して 30 分で完成。リサーチエージェントには技術ブログの収益化戦略を調査させ、次のアクションが見えてきました。

6日間で作った仕組みはまだ成長中です。個別テーマの記事も準備しています。

6日間やってみて気づいたこと

Claude Code は「コーディングツール」ではない

Day 1-2 のアプリ開発で「これはコーディングアシスタントではなく、人間の作業者の代替だ」と気づきました。環境構築、コーディング、テスト、レビュー、リファクタリング。SE の全工程がチャットで回る。

そこからさらに進んで、CLAUDE.md で役割を定義し、スキルで能力を拡張し、エージェントで並列実行するようになりました。秘書がタスクを管理し、開発者がコードを書き、ライターが記事を公開し、リサーチャーが情報を集める。自分専属のチームを持った感覚です。

「仕組みを作る仕組み」が一番強い

個別の成果物(アプリや /todo や記事)ではなく、それらを生み出す構造を先に作ったことが加速の鍵でした。

  • エージェント構成(3層分離)→ 並列作業が可能に。さらに各エージェントが専門領域の知識を蓄積するので精度も上がる
    • 例: ライターエージェントは文体ルールを覚えているので、2本目以降はトーンの指示が不要になった
  • テスト基盤(Day 2 の銀行アプリで学習)→ リファクタを恐れずに済む
  • 記事パイプライン → 書く→公開のコストが激減
  • デイリーリサーチ → 情報収集が自動化

Day 5 の爆発的な生産性は、Day 1-4 の基盤整備の副産物です。

書く人とチェックする人を分けられる

この記事の作成でも実感しましたが、別のエージェントにレビューを依頼すると、用語説明の不足や Markdown 記法の表示崩れなど、自分では気づかない問題点も指摘してくれます。書く人とチェックする人を分けられるのも、マルチエージェントの強みです。PC を操作しているのは私一人ですが、チームで作業しているという実感が湧きます。

この記事が6日間の出来事を時系列で正確に書けているのも、Claude Code のメモリ(会話をまたいで残る記憶)と日々の作業ログ、git のコミット履歴があるからです。「あのとき何をやったか」を人間が思い出す必要はなく、ライターエージェントがログと履歴を辿って事実を拾い上げてくれます。

始めるなら「役割を伝える」ところから

Claude Code を入れたら、新しいフォルダで起動して「あなたは○○です」と伝えてみてください。CLAUDE.md の書き方を調べる必要はありません。Claude Code が自分で作ります。

# 最初の一歩: こう伝えるだけ
「あなたは○○プロジェクトの開発アシスタントです。
 このフォルダで○○を管理してください。」

動かしてみて、違ったら「ここが違う」と伝える。それだけで環境が育っていきます。

Claude Code の使い方をもう少し体系的に学びたい方には、こちらの書籍も参考になります。エンジニアでない方にも読みやすい内容です。

AIがあなたの右腕になる!Claude Code超入門 ── 非エンジニアのためのAIエージェント活用術

実践Claude Code入門 ── 現場で活用するためのAIコーディングの思考法

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